昨日マーテルデイ病院を無事退院し、スリーマへ移動。
マルタ人のお宅で2週間お世話になる、マルタ療養生活2日目。
『はじめてさんと歩くマルタ島』著者、水彩画アーティストの杉原美由樹さんから誘われ、アフタヌーンティーに。
■パラッツォパリジオでアフタヌーンティー
15:50 みゆきさんが、eCabsタクシーでうちまでお迎えに来てくれた。
私達二人だけなのに、登場したのはデカい6人乗りバン。いきなり豪華過ぎませんか。笑 いや、みゆきさんらしいというか。
みゆきさんは、お仕事でパラッツォパリジオ内を絵に描くお仕事があり「せっかくなら気分転換に一緒にどう?」と誘ってくださった。
「黙々と描く私の横で、ただ座っているだけで申し訳ないけど…パラッツォパリジオの景色を眺めてお茶するだけでも、癒やされると思うし。」と、退院後、ただ2週間何も出来ず過ごすだけの私を外へ連れ出し、少しでも気分が良くなるようにとの心配りからお誘い頂いたのだろう。
相手に負担をかけない言い回し、さらっと行動できる方、ほんと素敵ですよね。
パラッツォパリジオは、元は騎士団長の別荘宮殿。
マルタ人が新居として買取り、代々子孫が受け継いだ。現在、宮殿建物2階は有料で観覧でき、キンキラ豪華絢爛なお部屋や装飾品展示などが見られる。1階は、レストラン・カフェとアクセサリーショップがある。
美しく見栄えがする、しかも由緒正しいこの場所は、結婚式場としても使われている。
日本人の方がハネムーン兼結婚式にマルタに来られて、ウエディングフォトを撮影する場所としても人気(絵になる!)。
地元マルタ人が「パラッツォパリジオで結婚式をする」となると、わぉすごいわね…となかなか一目を置かれる感じのハイソな場所なのです。
この日はちょうど、夜からウェディング予定だったパラッツォパリジオ。オシャレなガーデンウェディングの光景をカメラに収められました。↑↓
16:20 パラッツォパリジオ着
行きのタクシー内で、パラッツォパリジオのオーナーファミリーは、チスクビールを作る会社・ファルソンズも経営する、マルタでは超セレブだと聞く。
レストラン・カフェの屋内も素敵なのだが(クーラーが効いているし)、庭園の風景を描くとのことでテラス席(日除けシェードとファンがたくさん設置されている)で、アフタヌーンティーを頂こうと庭園へ向かった。
すると、オーナー二人がお茶をしながらミーティングをしているところに遭遇。
みゆきさんが私のことを「マルタのことで日本で有名な人」だと紹介され、ご挨拶をした。
テラス席へ通り抜ける時に見た屋内席は、高貴でクラシカルなインテリアと雰囲気。屋外テラス席は、白の仕切りカーテンがふわふわと風に揺れ、緑とこの時期は溢れんばかりのピンクのブーゲンビリアが周囲のマルタストーンを覆う。ここだけ違う時間が流れているかのようだった。
テーブルに並びきらないほどの2人分のアフタヌーンティーセットが並び、絵を描くみゆきさんを横目に、私はひたすら紅茶とスイーツを頂く。
みゆきさんが「Can you bring us ice cube?」と氷を別で持ってきてもらうよう頼み、ティーポットでサーブされる紅茶に氷を入れてアイスティーにして飲んだ。
なるほど、ホットの紅茶を頼んでもアイスにして飲みたい時はこういう風にして頼めばよいのか、と勉強になる。
緑と花が咲き誇る庭園を見ながら、優雅にアフタヌーンティー。
まどろむ林↑↓となりでお茶を飲みながら絵を描くみゆきさん。
▼パラッツォパリジオ
29, Victory Square, In-Naxxar NXR 1700 マルタ
Palazzo Parisio公式サイト
★アフタヌーンティー…月〜日の午後3時〜6時、1人€35.00、+€16.00でグラスシャンパン付き
・紅茶は、アールグレイ、ダージリン、アッサム、ミント、ジャパニーズティーから選べる
・三段スタンドにスコーン×スイーツ×スイーツ、別皿でサンドイッチ&ミニバーガープレート。実質四段分のボリューム!
みゆきさんと色んな話をした。みゆきさんがオープンマインドで天真爛漫な方だからか、それとも一時的に会う距離感の私だからか、解放的なマルタがそうさせたのか分からないが。
ハッピーオーラと、品の良い色気と、大人の女性が醸し出す余裕ある優雅さが溢れ出している。
こういう方と一緒に過ごすだけで、ハッピー&ポジティブオーラをおすそ分けいただけたようだった。
今日は、パラッツォパリジオでウェディングがあり19時に閉まるというので、みゆきさんとはここでお別れ。Bolt.でタクシーを呼び帰宅。
完成したみゆきさんの絵。パラッツォパリジオのアフタヌーンティーと庭園。
■今日の夕飯は一人
19:30 帰宅
ちょうど玄関を出ようとした家のホストと遭遇し、鍵で開ける手間が省けた。
片手でバッグから探し出し、カードキーを当てて、二重扉のマルタのドアを開け締めするのは結構大変だった。
「今日は友人の誕生日で、オステリア・ヴェ(『新版 まるごとマルタのガイドブック』に載っている、ビットリオーサにあるビストロ。この前年一緒にクリスマスディナーに行き絶品だった)にディナーに行く」という。
「晩御飯はベイクドライスを置いてるから好きな時に食べて」と。服を汚さないための赤ちゃん用前掛けと、虫除けカバーされたご飯が置かれていた。(虫除けカバーは、日本と同じ!と不思議な感動。)
アフタヌーンティーで膨れ上がったお腹に、ベイクドライスはまだ詰め込めない。
疲れたためベッドで横になり、そのまま眠る。
目が覚めたら23:30。暑さからか、7日間の寝たきり生活から明け久々に外出したからか、4時間爆睡。
夕飯を食べに三階のキッチンへ。
チャーハンでもピラフでもない食感だったベイクドライス。野菜たっぷりと、上には削ったチーズとハーブ。さすが料理の先生、何を食べても美味しい。
半分食べて、残りは翌日昼に食べようと冷蔵庫へしまった。
ちなみに昼食は、昨日のトマト煮込みに、ソーセージ、豆、卵、別の野菜を入れて再度煮込んだもの。
残り物を有効活用してさらに美味しくリメイクするのはさすが。いろんな野菜と具材の味が染み込んで美味しい。
■片手生活は全ての時間が倍かかる
昼間の出かける準備は、合計約2時間かかった。
12:50 着替え20分
13:50-14:50 化粧1時間
14:50-15:20 荷物準備30分
15:30 出発
人と会うにも、外出するにも、この2時間を要すると考えると億劫になりそう。
何をするにも片手では時間がかかり、憂鬱になってきた。
夕食後、シャワーを浴び化粧を落とすことのにも躊躇し1時間経過。何事も気合いを入れないと取り組めない。
さー仕方ないからやるか!!と思い切って、シャワールームへ。
シャワーで体を洗う、化粧落とすだけに30分かかった。洗髪はまだうまくできないし、ギブスが濡れるので回避。
体を洗っても、自分から臭い匂いが漂う…これは髪の匂いか?
しかし、病院のタオルやおしぼりではなく、日本から持ってきた自前のゴシゴシタオルで8日ぶりに洗えたので、体中の垢がしっかり取れたようでさっぱりした。
片足をマットに足を置き、もう片足をシャワールームへ置き体を洗った。
シャワールームの床は、つるりと滑りそうで両足で入るのは怖い。
洗った体をある程度シャワーで流し、濡れタオルで泡を拭き取り、最後にバスタオルで拭き取り完了。
右腕は硬いギブスで腕から肩までがっちり覆われて、指先もまだ動かせない。自分の腕ではなくただの重い塊のようだった。
化粧を落とすには、体と洗面台の間に化粧落としのチューブを挟み絞り出す。
左手でチューブから出たジェルをすくい、ゴシゴシと洗ってシャワーで流して終了。
今まで病院で補助をしてもらっていたのがなくなり、これからは、自分で片手で工夫しながら、時間をかけながら生活していかねばならないのを実感した。
今日出会った、パラッツォパリジオに住み着いている猫ちゃん。
写真を撮ろうとするとプイ!と顔をよけ、スタッフのおじちゃんが「写真撮るってよ〜カメラ向いてやれよ」と無理やり連れられると、「仕方ねーな…」とでも言いたそうなブスッとした顔でポーズを決めてくれた。笑